第18回　井上佐由紀 [プロフィール] 福岡県柳川市出身。スタジオエビスを経て写真家蓮井幹生に師事後、独立。広告や雑誌、書籍、CDジャケットなどで活動中。写真展なども開催。写真集に「screen」「reflection」がある。 http://inouesayuki.com

▲写真はすべて、Hasselblad Xpanで撮影（クリックで拡大）

●持って帰りたい空間 絶滅動物が昔から好きで、博物館に通っては撮影しています。 暗い照明の中で見る、もう動く事はない生物達の展示は、怖さと哀しさを持っています。 それを、いつもとても美しいなと思いながら見ています。 この場所があまりにも好きなせいか、ふと「持って帰りたい」という言葉が思い浮かびました。 気付くと、その空間や展示されている者達を全部「持って帰りたい」と思いながら撮っていました。 その場にある空気感だったり見たことを、記憶だけでなく写真としても残しておきたいという気持ちです。 写真を撮っていると、同じ時間と巡り会うことはないんだとよく思わされます。 そんなとき「持って帰りたい」という言葉がふと心の中に浮かびます。 それは目の前にある瞬間が、自分にとって美しい時間であり、残しておきたい記憶なのだと思うのです。 次回は中川正子さんです。

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