・リレーコラム:女子フォトグラファーの眼差し

・プロが愛用するコンパクトデジカメ

・私のレンズ、この1本





本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!



第15回 オジモンカメラ/高橋 希

[プロフィール]
秋田県秋田市生まれ。明治大学卒業後、写真家・川村悦生氏に師事し独立。フリーランスとして活動していたが、2013年4月に秋田へ移住。現在は雑誌「のんびり」などで撮影をしながら、写真家クロダミサトの個展企画や自身のイベント「オジフェス」、仲間とともにzine「yukariRo」を創刊させようと奮闘中。「写真+αで表現できるもの」をテーマに活動している。

オジモンカメラ
http://ozimoncamera.tumblr.com/
yukariRo
http://yukariro.jimdo.com/







▲いぶりがっこの下準備(クリックで拡大)
(Nikon D800/ 1/60s f3.5 ISO800)



▲味噌作りの合間に(クリックで拡大)
(Nikon D800/ 1/160s f4 ISO200)



▲ハタハタ選別のかあさんたち(クリックで拡大)
(Nikon D800/ 1/125s f7.1 ISO400)


●生まれ故郷の秋田へ

上の子が小学校に上がるのを機に、2013年の4月に秋田へ移住した。

18歳まで暮らしていたとはいっても、それ以上の年月を東京で過ごしてきたので、カルチャーショックがなかったと言えば嘘になる。

連れて来た家族を新しい環境に慣れさせるのに四苦八苦しながらも、東京から引っ越す前に撮らせてもらった友人たちのポートレートはどうしても1年以内に展示しておきたかった。周囲の人たちにたくさん助けられながら、2014年3月後半から写真展「オジフェス」を自身のスタジオにて開催し、どうにか目標を達成。とにかくやってみて良かったと、心から思えた出来事であった。


●「ここでだからできること」を探して

しかしその後、しばらくシャッターを押せない日々が続いていた。

人が歩いていないためスナップショットが撮りづらく、かといって綺麗な田園風景にも興味が持てなかったのだ。

そんな中「せっかく秋田に来たのだから」と、味噌や梅干し・漬け物などを手作りする会合に参加してみた。おそるおそる輪の中に入っていくと、今まで見えなかった景色がそこにひろがっていたのだ。
とことん優しくてどこまでも面倒見がよい母さんたち。私が探していたものは、これだと思った。

「物質の豊かさ」という点で見たら都会とは勝負にならないのは当たり前だが、ここで暮らすと決めたからには楽しまないともったいない。小さな手作りを積み上げたその延長線上に、冊子「YukariRo」を作るという選択肢があった。

ごく普通の場所に宝が埋まっていて面白さが紛れこんでいるのはどこでも同じだろうけれども、ずっと東京で暮らし続けていたら自分で雑誌を作ろうなんて思いもしなかっただろう。同時期に引っ越してきた「面白い」の感覚が似ている人たちとともに企画を考えたり足を運んで取材するのが、今はとても楽しい。

そういった意味では、写真だけでは表現し得ないものにも挑戦してみようと思うことができて良かったんだろうなと思う。

写真をコミュニケーションツールとして、ご縁の路(みち)をひろげていけたら。
そこに住む人たちのゆかいな暮らしを追っていけたらきっと、ずっと楽しいに違いないと信じて。



次回は高木亜麗さんです。


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