・リレーコラム:女子フォトグラファーの眼差し

・プロが愛用するコンパクトデジカメ

・私のレンズ、この1本





新連載の本ページは、女性フォトグラファーの皆様によるリレーフォトコラムです。カジュアルなプライベートスナップから作品まで、仕事とも一味違う、リラックスしたパーソナルショットを拝見できればと思います。カメラはiPhoneなどスマホもOKです!



第14回 細川葉子

[プロフィール]
福井県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。出版社スタジオ勤務を経て独立。雑誌、書籍、広告、美術カタログなどを撮影。最近「ゴミ」という同人誌に参加。









▲いずれもキヤノン5DMark II で撮影後、写真用紙に印刷したものをiPhoneで複写。
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●秋の自由研究に東京の「果て」へ

その時が夏だったということと、少女漫画が好きなこともあって、独立したときは「ああこれで『毎日が夏休み』だ!」と思った。

ある日どこからか宿題が与えられる。その時々に応じて、調べたり、人に話を聞いたり、体調を整えたりして、その場所や人やものに集中する。そこでは思い通りにいかないこともたくさんあって、柔軟な心構えも必要とされる。そしてその後には達成感や爽快感、心地よい疲れ、固まっていたものがほぐれていくような気持ち良さや少しの後悔や反省なんかがやってくる。毎回いろんな配合になって身体で実感する。毎回違う。

宿題を通して、さまざまな新しい人に出会い、新しい場所に行き、新しい何かを知ったりする。それが通り過ぎたり、より深まったりする。それを受けるも自分の自由、自分次第、自分の責任。これが夏休みであってなんであろうか! とこのあたりはやや強引に。

この秋に宿題ではなく、自由研究としてある場所に行った時のこと。

そこは東京の「果て」で昔の地図だと海の真上。台風一過の空は広く濃く眩しく、高い。想像もできなかったその場所は風が強く吹いていて光で満ちていた。自分だけだったら絶対にいない場所。何でここにいるんだろう、と思う。

そういえば、撮影の度にいつも思っていることが、限られた時間の中で、人気のない「果て」でくっきりしてみえた。その「果て」の場所に自分がぽつんといることが普通の言い方になるけど「カメラがあったから」。

書いてしまえば実にシンプル。だけれども、だからこそ、そこにいて、会えたんだし、それらを知ったのだなと思う。
人によってはそれぞれ違っているが私にとってはカメラが大事な「夏休みのとも」。そして明日も続くでしょう、その繰り返しにあの漫画の台詞をこころの中で繰り返す日々。です。


次回はオジモンカメラさんです。

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