・プロが愛用するコンパクトデジカメ

・私のレンズ、この1本





このコーナーでは、毎回プロカメラマンが愛用しているレンズについて、
作例とともに語っていただく。



No.01


ニコン
「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」
(D5000レンズキット)




文:イシワタフミアキ
1968年秋田県生まれ。スタジオ勤務、アシスタントを経て、1998年よりフリー。雑誌を中心にドキュメンタリー、ポートレイト、料理からアダルトまで、ノンジャンルで活動中。トタンに魅せられ、ライフワークとしてトタン美を撮り続けている。ブログ「トタニズム」。2009年9月、ミリオン出版より「昭和幻景 消えゆく記憶の街角」を刊行。



●シンプル装備でフットワークを軽く

ここ数年、プライベートの写真だけでなく仕事がらみでも風景を撮る機会が増えてきました。そうは言っても、三脚を立ててきっちりと撮影するわけではなくて、あくまでもカメラを片手にスナップしていくスタイルです。とにかくフットワークの軽さがポイントで、いかに機材を少なくして、どれだけシンプルな装備に出来るかをいつも考えています。
銀塩カメラ時代はコンパクトカメラをメインにシャカシャカ撮ることもありましたがデジタルに移行してからは画質やレスポンス面でしっくりこないコンパクトデジカメを使うことがなくなり、必然的にデジタル一眼に広角から標準域をカバーするズームレンズを装着して撮影することが多くなりました。
2009年の中頃に、軽く、気軽に持ち歩けるサブと言うか遊びのカメラとして「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」の付いた「D5000レンズキット」を購入しました。
D5000はモーター内蔵したレンズでないとオートフォーカスが使えなく、それまで持っていたレンズではオートフォーカスが使えないこともあったので、いろいろと他のカメラも悩みましたが、画質やボディの軽さ、バリアングル液晶モニターなどの性能面を考慮して決めました。当然、ボディのみ購入して、別に「Nikon AF-S DX VR Zoom NIKKOR ED 18-200mm F3.5-5.6G」やシグマ「18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM」などの高倍率ズームレンズを買うという選択肢もありましたが、レンズの軽さ(約265g)、ズーム全域で28cmまでの最短撮影距離、そして価格が最終的な決めてとなってレンズキットにしました。


●使いこなすうちに高評価へ

このキットレンズの購入時の印象は、レンズ自体の質感も軽くて安っぽい、オートフォーカスのスピードが遅い、F値も3.5-5.6と暗いなど、正直あまり良いものではありませんでした。しかし、この数ヶ月、D5000レンズキットのボディとレンズの組み合わせを使ってみて、そのイメージが大分変わりました。




▲軽量なので女性カメラマンにも適している(クリックで拡大)

このレンズはシャープでコントラストもあり、広角でも十分な解像感を持っています。望遠側での背景のボケ味はおとなしめでムリのない感じが良く、十分満足のいく画質を持っていました。初めに気になっていたオートフォーカスのスピードも風景を撮っている分にはあまり気にならず、レンズ内モーターも静かです。F値の暗さも、D5000の高感度性能の高さと(個人的にはISO800ぐらいまでは常用しても良いと思う)、レンズの手ブレ補正機能の合わせ技でカバー出来ています。何よりもD5000ボディに装着した時のバランスが良いので、より軽量でコンパクト感が出てきて、機動性は抜群なので持ち歩いてもストレスを感じません。

基本的に作品に限らず仕事の撮影でも自然光が好きで、可能な限りそこにある光だけで、その場の雰囲気をストレートに写そうと思っています。しかし、現場では必ずしも撮影の条件が良いとは限らないのですが、この癖がない、素直な描写をするレンズは私にとってどんな現場でもこなしてくれるユーティリティプレーヤーです。





▲作例「蒲田のトタン」
F5.6、1/30秒、絞り優先オート、露出補正+0.3、ISO400、
LS(風景)Nikon D5000
(クリックで拡大)
▲作例「月島のトタン」
F5.6、1/2500秒、絞り優先オート、露出補正−0.3、ISO200、
LS(風景)Nikon D5000
(クリックで拡大)

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